母分散未知の場合の母平均区間推定

母分散が既知の場合は、母分散σを使って区間推定を行いました。

母分散が未知の場合は、母分散の代わりに不偏分散s2を用いて区間推定を行います。

不偏分散とは、標本の属する母集団全体の分散の推定値です。



t分布

母分散が既知の時に使ったZは、未知の場合Tになります。


Z分布は標準正規分布であるため、正規分布に従いますが、T分布は正規分布に従いません。


どんな分布になるのかな?

Tは自由度n-1のt分布に従います。


t分布の特徴は下記です。

  • 左右対称
  • 正規分布を潰した形で裾の値が高い
  • nが大きくなる(自由度が大きくなる)と、標準正規分布に近づく
出典元:t分布と正規分布の違いは?母平均の推定・検定でどのように使い分けるかを解説



母集団未知の区間推定方法

  1. 標本平均x¯と不偏分散s2を求める。
  2. 統計量tの範囲計算する。
  3. 2で算出された統計量がt分布の100α%の面積の範囲にあれば良い。
  4. 信頼区間を求める。

不偏分散を使って区間推定を行う場合、t分布を使います。



1.標本平均と不偏分散を求める

標本平均



不偏分散



2.統計量tを計算する



3.2で算出された統計量がt分布の100α%の面積の範囲にあれば良い。

tの範囲は信頼係数によって決まっています。

よく使う信頼係数95%のtは3.18です。

4.信頼区間を求める

3の式を整理して、母平均についての不等式を計算します。